松井冬子さんのこと

過去の日記から。2008年4月の日記

松井冬子という日本画家

日曜の夜の楽しみ、それは21:00からの『N響アワー』今日の日記は
その後に放送されたETV特集「痛みが美に変わるとき」で見た日本画家
の松井冬子さん。最初、作品が紹介されたとき正直言ってチャンネル
変えようと思いました。だって、怖いんですもの・・。

けれど「なぜこれを嫌だと思うのか?」というのが気になって最後まで
見てみようと思ったら・・・感激してしまいました。

美人なのに幸薄そうで、何か暗いものが心の中にありそうな女性。年齢
は34歳、東京芸大で博士号取得の才媛です。
作品は内臓や筋肉、骸骨や幽霊など女性をモチーフに苦痛、情念等が描
かれているそうです。なぜ、その作品を見て、「嫌だ」と感じたのか?

僕の答えは『作品から幸せを感じることができなかったから』というも
のですが、番組中に社会学者の上野千鶴子さんが松井さんの作品で表現
されている苦痛や情念は「人間の痛み」ではなく、「女性=ジェンダー
化された痛み」と明快に説明され、松井さん本人が「男性が目を背ける
と、それみたことかと」と言われたことで納得できました。

松井さんがどのような人生を送り思想が形成されたのかはわかりません
が、この説明だけで、彼女の作品の世界観を拒絶するのは僕が男性性で
あるからだ、と理解できたのです。

寂しい気持ちでいた番組後半で上野さんが松井さんに「幸せになってほ
しい。幸せになれば更に作品は良くなる」と言われました。本人はその
言葉にピンときてないようでしたが、僕は涙がでそうになりました。

きっと、その時が来るはずです。今の作品が好きなファンも多いでしょ
うが、あの作品世界に私は浸ることはないでしょう。けれど、上野さん
が言われるような世界を表現されたら、部屋に飾りたい。暗い情念の世
界を苦痛と内面を経験したあとに、そんな世界を抜け出して希望を見つ
けられる作品はこれからの世界に明るい希望を与えてくれそうな気がす
るのです。

松井冬子さんはまだ34歳。これからのご活躍を勝手に期待してます。

NHKは良い番組見せてくれますね、本当に。
これからも良い番組作ってくださいね!って誰に言ってんだか・・。