春望

地元の菜の花を見て想ったこと

国破れて山河在あり
 城春にして草木深し

時に感じては花にも涙を濺ぎ
別れを恨んでは鳥にも心を驚かす

烽火三月に連なり
家書万金に抵る

白頭掻かけば更に短かく
渾べて簪に勝えざらんと欲っす

春 望   杜 甫


昨日撮った故郷の風景で、呑気にこの詩を思い出し、途中まで
口ずさむ。後半が思い出せず、何となく帰宅して調べてみた。

これって戦争の詩だったんですね。冒頭の美しい言葉とリズムで
勝手にキレイな詩だと思っていましたけど。

「時に感じては」=戦乱の世の事を嘆き哀しみ、そんな世界では
美しいはずの春の花を見ても涙がこぼれるし鳥の鳴き声さえ辛くか
んじてしまう。家族からの手紙は万金にも値するし、心労で白髪頭
は薄くなり、簪も使えなくなった。

今、日本は平和だけど、中東やアフリカのダルフールではこの詩の
世界が現実に起こっているのですね。悲惨な現実は他人事ではあり
ません。

どうすれば良いのか、さっぱり分かりませんが、自分の息子達が戦争
に行かねばならなかったり、命を失うような世界にしてはいけないと
強く想うのです。